ニキビ…それは思春期の大敵…
我が薬局ではディフェリンゲルやベピオゲルといった『尋常性ざ瘡』に適用のある薬が出ます。
出たらすぐにでも治したい、そんなニキビですが、ニキビに適用のある塗り薬についてご存知ですか?
最近ニキビに対してディフェリンが出た時に、「そういえばニキビにはベピオもあるけどどう違うんだ…?」
と、恥ずかしながら思った次第でありまして、これはちゃんと知っておかねばと思い色々勉強しました。
実はニキビに特化した塗り薬がいくつかあることをご存知でしょうか?
今回はニキビとその塗り薬についてご紹介したいと思います。
飲み薬も存在しますが、今回は塗り薬についてお伝えします。
ニキビとは?
そもそもニキビとは、正式には「尋常性ざ瘡」という症状であり、“ニキビ”というのはあくまで一般的な名称なんですね。
毛穴が角化して、毛包内に皮脂が詰まることで起こります。
この尋常性ざ瘡、大きく分けて3つの段階があります。
白(黒)ニキビ:炎症を起こす前のニキビ
赤ニキビ:炎症を起こしたニキビ
黄ニキビ:化膿したニキビ
上から段階的に悪化していきます。更に悪化すると嚢腫や瘢痕になったりします。
どの段階のニキビであるかによって処方される塗り薬は異なって来ますね。
ニキビ治療薬
まずはざっとご紹介ですが、
- ディフェリンゲル(アダパレン)
- ベピオゲル・ローション(過酸化ベンゾイル)
- デュアック配合ゲル(過酸化ベンゾイル+クリンダマイシン)
- エピデュオゲル(アダパレン+過酸化ベンゾイル)
- ダラシンTゲル(クリンダマイシン)
- アクアチムクリーム(ナジフロキサシン)
- ゼビアックスローション(オゼノキサシン)
他にもビタミン系の塗り薬に効果が期待できるものもありますが、ピンポイントに治療効果があるとされる塗り薬がこちらになります。
この中でデュアックはベピオ+ダラシンであり、エピデュオはディフェリン+ベピオとなっているので、実質的には5種類の成分になります。
上から4つはいずれも『尋常性ざ瘡』、つまり一般的に“ニキビ”と呼ばれる症状を適応症に持つ塗り薬です。
この塗り薬にはピーリング作用と言われる、肌表面に蓄積した古い角質(ニキビの原因)を除去することで、毛穴のつまりを解消し肌を綺麗に保ちニキビを出来にくくする作用があります。
下3つはいずれも抗生剤となっていて、ブドウ球菌属、アクネ菌を適応菌種に持つ塗り薬となります。
ディフェリン(アダパレン)
ディフェリンの成分であるアダパレンはレチノイド(ビタミンA類)であり、ピーリング作用によって異常な角質を抑えて角質が厚くなるのを防ぐことで、毛穴のつまりを改善する薬です。
炎症の無い白いニキビに効果が高く、後述するベピオより効果は強いとされています。
以前は炎症を伴う赤いニキビには効果が無いとされていましたが、最近では赤いニキビにも効果があるとされています。
ただし効果はベピオには劣ります。
ニキビ跡のくすみなど色素沈着に対しても効果が期待でき、ピーリング作用があるのでニキビの予防にもなります。 角質が厚くなるプロセスを抑制し、アクネ菌が増殖する住処である毛穴の詰まりそのものを解消することで、ニキビの悪化を防ぎます。
アダパレンはビタミンA類であるため、催奇形性があり、妊婦や妊娠している可能性のある患者様には禁忌とされているので注意が必要です。
使用開始初期は皮膚の発赤、ガサガサ、ヒリヒリ感といった刺激性の副作用がありますが、2~3週間程度で落ち着いてきます。
ベピオ(過酸化ベンゾイル)
ベピオの成分である過酸化ベンゾイルは、ニキビの原因となるアクネ菌の増殖を抑える効果とピーリング作用によって毛穴の詰まりを改善する効果を併せ持ちます。
初期段階である白いニキビから炎症を起こした赤いニキビまで広範囲に使用出来ますが、白いニキビへの効果は前述したディフェリンの方が強いとされています。
ピーリング作用があるのでディフェリン同様ニキビ予防にもなります。
過酸化ベンゾイルは強力な酸化作用によって菌を構成するたんぱく質を変性させることで物理的にその構造を破壊する、つまり菌自体を直接攻撃して死滅させるという特性をもっているため、特定の代謝経路を阻害するという抗生剤のメカニズムとは異なり、菌が変異を起こして抵抗することが構造的に難しくなっています。
そのため、アクネ菌に対する“耐性菌を作りにくい”ということがこの薬の大きな特徴です。
後述する『配合剤』にはこのベピオがそれぞれ配合されていますが、その理由は過酸化ベンゾイルがこの特徴を持っているからなんですね。
使用開始初期に刺激性の副作用が起きることがある他、ディフェリンでは起きないとされる『アレルギー性のかぶれ』を起こすことがあります。アレルギー性のかぶれは使用を中止しない限りは改善することはありません。
一般的には、治療薬を継続するか否か、アレルギー性のかぶれかどうかを判断するためにまずディフェリンから使用し、刺激性の副作用が落ち着いた段階でベピオやデュアックといった薬剤へ変更する事が多いとされています。
過酸化ベンゾイルには漂白作用があるので、色物に付着すると脱色してしまうので注意が必要です。
塗った後、しっかり乾いたことを確認してから寝るようにした方が良いかもしれません。
使用中はなるべく白や黒で無地のものを着用する等工夫した方が良いですね。
髪の毛に付着した際にも脱色の可能性があるようですが、そこまでしっかり脱色されることはない様です。
ですが、万が一のためなるべく髪の毛への付着も気にするようにしてください。 ベピオ使用中は肌が乾燥しやすく外部からの刺激に敏感になりやすいため、紫外線の影響を受けやすくなります。日焼け止めや帽子等、必ず日中の紫外線対策を行うようにしてください。また、日焼けランプの使用や紫外線療法は避けるようにしてください。
抗生剤
主な薬剤
ダラシン (クリンダマイシン)
アクアチム (ナジフロキサシン)
ゼビアックス (オゼノキサシン)
他、内服薬もあり
抗生剤は、ニキビの原因となる『アクネ菌』を直接攻撃し、増殖を抑えます。
炎症性の赤いニキビ、化膿した黄色いニキビに即効性を持ちますが、炎症を伴わない白いニキビには効果がありません。
抗菌薬は長期的に使用し続けると『耐性菌』が発現してしまい、薬剤の効果そのものが無くなってしまう可能性があるため、比較的短期間のみ使用します。
抗生剤にはディフェリンやベピオに比べて、発赤やガサガサ、ピリピリ感といった刺激性の副作用が比較的起こりにくいのがポイントです。
ニキビの部分だけにピンポイントに塗れば良く、顔全体に塗り広げる必要はありません。 上記3つの抗生剤に大きく違いはありませんが、薬によって軟膏やクリーム、ゲル、ローションと形状が異なるものが複数あるため、使用感が変わります。使用する部位によって先生方が選択される形となりますね。
配合剤
主な薬剤
エピデュオ:ディフェリン(アダパレン)+ベピオ(過酸化ベンゾイル)
デュアック:ベピオ(過酸化ベンゾイル)+ダラシン(クリンダマイシン)
配合剤には主に上記の2種類がありますが、先にお伝えした通り、それぞれ前述した薬剤が混ざっているものになります。
ディフェリン、ベピオ、デュアック、エピデュオとピーリング作用のある塗り薬は4種類ありますが、成分自体は実質2種類ということですね。
それぞれ効果の異なるものを配合している為、多角的にかつ相乗効果を狙うことができ、更にはベピオの成分である過酸化ベンゾイルを配合することで耐性菌発現のリスクを減らすことも出来ます。
特に抗生剤は長期使用にて耐性菌の発現リスクが高くなり、効果がなくなってしまう可能性があるので、耐性菌発現のリスクを抑えられることで比較的長期での使用が可能となってくるという、治療効果としても薬と細菌の関係としても有用な配合剤となっているようです。
その他
保湿剤や、内服の抗生剤、漢方薬、ビタミン剤等が処方されることもあります。
まとめ
今回はニキビの治療薬について簡単にまとめてみましたが如何だったでしょうか。
それぞれの特徴をしっかり抑えられると、投薬の際に症状を聞きやすくなりますよね。
あまり詳細にはお伝えできていませんが、参考になればと思います。
ではでは!

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