先日、『グリセリンBC液』というものが載った処方箋が届きまして、今回はそのお話をさせていただこうと思います。
『グリセリンBC液』とは?
そもそも『グリセリンBC液』ってなんでしょうか?

これ一体何かと言いますと、効能効果が『浣腸液の調整に用いる。』である、浣腸液なんです。
で、添加物として『ベンザルコニウム塩化物』を配合してあるので、実は『消毒液』としても使えるんです!
今回の話の本題はこの『消毒液としても使える』というところでして、泌尿器科領域での『在宅自己導尿におけるカテーテルの消毒液』として利用されているんです。
薬価が付いていない薬
そしてもう一つ、この『グリセリンBC液』は“薬価基準未収載”品でありまして、『保険給付の対象とならない』のです。
つまりは保険番号を載せた処方箋医薬品として取り扱うことが出来ません。
窓口では全額自費で支払ってもらう必要のあるものですね。
泌尿器科では比較的メジャーどころの『シアリス』や『バイアグラ』といったED治療薬なんかがこれに当たりますね。
どちらも薬価基準未収載品となっていますので、基本的に保険請求は出来ず10割全額の負担となります。
所謂『OTC薬=市販薬』に近い扱いになるんです。
在宅自己導尿指導管理料
診療報酬には、『在宅自己導尿指導管理料(1,400点/月)』というものがあります。
文字通り、入院以外の患者に対して自己導尿の指導を行った際に取れる管理料ですね。
- 諸種の原因による神経因性膀胱
- 下部尿路通過障害(前立腺肥大症、前立腺癌、膀胱頸部硬化症、尿道狭窄等)
- 腸管を利用した尿リザーバー造設術の術後
上記の患者に対して医師が必要と判断した場合に取れるようです。
この自己導尿の際に使用するのが『自己導尿カテーテル』になるわけなんですが、これは使い捨てではないので当然消毒が必要になって来ます。
そこで使用されるのが『グリセリンBC液』となるわけなんですね。
在宅自己導尿指導管理料におけるグリセリンBC液の扱い
この『在宅自己導尿指導管理料』を算定している患者さんに対して、本来『グリセリンBC液』は病院、クリニックから支給しなければならない衛生材料になるんです。
『在宅自己注射指導管理料』において支給される“アルコール綿”なんかと同じ様な扱いですね。
これを自費処方箋として院外処方を出すと、指導管理料に“含まれていた”衛生材料を、+αお金を出して“購入しなければならない”ことになります。
なので処方箋にこれが載ってくるのはかなり“おかしいこと”なんですよ。
なぜ処方されたのか?
では、なぜ処方されたのか。
これはうちと門前病院とのやりとりが関係して来るのですが…。
実は門前の病院で薬剤師が全員辞めてしまうという珍事が起きまして、元々院内薬局で対応していた『交通事故』と『労災』の処方を、院外に出さざるを得ない状況になってしまったようで、その対応をうちがすることになってしまったんですね。
『グリセリンBC液』は自己導尿の患者さんに院内の薬剤部が渡していたようで、それも院外での対応にするとした為に、こんなことになってしまったようです。
疑義照会にて
これが薬価基準未収載品であり、保険処方箋に載せられない旨を処方医に疑義照会すると…
医『労災とかの院内で出してたものを院外に出すようにしたって聞いたから処方箋に入れただけだが? こっちは支払いのやり取りとか知らんしどうしたらええんか確認してから連絡してや。』
薬『あ、はい、確認してから折り返します。』
ブチギレられました。
この時点ではグリセリンBC液が衛生材料となることを確認していなかったので、一度電話を切ってスタッフと調べながら確認しました。
その後、グリセリンBC液の扱いを確認した上で病院医事課へ確認の連絡を入れ、最終的には在宅自己導尿指導管理料を取っている患者さんについては全て院内で対応することになりました。
果たして私はなぜ怒られたのでしょうか…?
どう考えても病院の確認不足、医師への伝達不足だったと思うんですが、関係のない外部の薬局薬剤師がそれについて怒られるのは納得が行きません…w
まぁこちらもそれについてこれまで全くわかっていなかったのでなんとも言えないところではありますが、それにしたって勝手にそう思い込んで出して指摘されて知らんがなって言われても、こっちが知らんがなと言いたい状況でした。
経験は糧となり
こういった経験も、知識としての糧になりましたので、まぁ良かったんじゃあないかと思います。
そういう管理料が存在し、衛生材料として使われるものがあると理解出来たのは間違いなくプラスです。
触れなきゃわからないことって沢山ありますからね。
そうやって一つひとつ覚えて段々わかっていくんですよね。
人生は日々勉強、日々情報をアップデートして行かなければなりません。
新しい薬はどんどん出てくるのでそういったことの勉強も欠かせませんし、何かと大変ですが、勉強するのは好きなので頑張って覚えていきたいところです。
また覚えたことは発信していこうと思いますのでお待ちください。
ではでは!

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