2月13日、中央社会保険医療協議会より令和8年度の調剤報酬改定の全貌が明らかになる『答申』が発表されました!
こちら、我々調剤薬局勤務の薬剤師において、命とも取れる『調剤報酬』の改定について、点数や内訳が詳細に打ち出されるもので、薬局や会社の売上がこれに左右されます。
如何にして高い点数を取るよう努力出来るか、これが大事なんですね。
我々はただのほほんと患者様にお薬をお渡ししているわけではないのです!!!
会社の売上を上げるために高い調剤報酬を取れるように要件や実績をクリアするために日々努力しているのです!
詳細についてはまた別にまとめようと思いますので、今回は軽く触れるだけにしようと思います。
調剤基本料
1.点数引き上げ
調剤基本料は1~3、3はイ~ハ、特別調剤基本料A、Bと7つあり、特別調剤基本料以外が引き上げされています。
2.調剤基本料2の適用拡大
調剤基本料2の対象範囲が拡大されました。
これが非常に痛い改定でありまして、当薬局ではわりとギリギリでクリアしていたんですね。
具体的には月間受付回数が2000回以上から1800回以上に、集中率が95%以上から85%以上に厳格化されました。
調剤基本料1が一番高く、上記に該当してしまうと基本料2になり17点下がってしまうんですね~。
1人辺り17点(170円)下がるのは相当痛いです…
3.都市部の新規開局の規制強化
『都市部』に所在し、処方箋受付回数月600回超、集中率85%超であれば即座に減算対象となるようです。
都市部の対象地域は
東京23区、政令指定都市(札幌市、仙台市、さいたま市、千葉市、横浜市、川崎市、相模原市、新潟市、静岡市、浜松市、名古屋市、京都市、大阪市、堺市、神戸市、岡山市、広島市、北九州市、福岡市、熊本市)
です
ここ最近の調剤報酬改定の動きは『門前薬局』のモデルを取る薬局を減らしていったり、『調剤しかしていない薬局』を減らしていく方向ですね。
この改定も『新規出店で門前薬局のモデルを取ろうとする薬局』を作りにくくしていますね。点数を減らして維持しにくくする様に。
4.調剤基本料3の要件見直し
基本的に大手のチェーン薬局に適用されているであろう調剤基本料3において、『店舗数』という基準が廃止され、純粋に『グループ全体での処方箋受付回数』という実質的な規模での判断に変わりました。
店舗数が少なくても、1店舗辺りの処方箋枚数が多いグループも大手と同じ様な扱いになるようですね。
弊社は全店舗合わせても月40万回も到底行きませんのでこちらはあまり関係ないと思っていますが。
5.集中率の計算の見直し
処方箋集中率とは、特定の医療機関の処方箋が全ての処方箋に対してどの程度の割合で来ているかを表すものですが、これが95%以上、つまりほとんどの処方箋を1つの医療機関からしか受けていないと点数が下がります。
これが結構難しくて、いわゆる『門前薬局』はその門前の病院やクリニックからの処方箋を受ける回数が圧倒的に多いので、この集中率が非常に高いんですが、これを他の病院やクリニックからの処方箋もたくさん受けて下げていかなければいけないんですね。
で、これを回避するために、その薬局の門前ではない病院やクリニックに受診をしている施設と提携して、その施設の外来処方箋を一手に引き受けて調剤することでこの集中率を下げている薬局が少なからずあったんですね。
今回の改定で、『介護保険施設や高齢者向け居住施設に居住する患者を集中率に含めない』ことになりましたので、上記の回避方法で集中率を下げることが出来なくなってしまったんです。
つまり、純粋に施設に入っていない外来の患者さんにおいて門前以外の処方箋をしっかり受けるようにしなさいと、そう国から言われているんですね。
しかしこれは我が薬局においては逆にありがたい改定になったようです!!!!
我が薬局では近隣の高齢者向け居住施設の患者さんの受診がほぼ全て門前の病院になっていて集中率がえげつないんですね。
施設以外の外来患者は比較的門前以外の処方箋も受けているんですが施設がネックで集中率爆増していたところ、施設の処方箋は含めないと来たじゃありませんか!
これはおそらく集中率が下がるので調剤基本料1を算定出来るようになるかもしれないと望みが出てきましたんですね。
調剤管理料
これまで細かく設定されていた日数区分が廃止され、処方日数が28日以上か否かで二極化されました。
旧
29日分以上:60点
15日分以上28日分以下:50点
8日分以上14日分以下:28点
7日分以下:4点
新
28日分以上:60点
27日分以下:10点
つまりは短期処方が大幅にマイナスされたということです。8日分以上27日分以下の点数が大幅にマイナスですね。7日分以下は少しプラスになります。
整形外科や耳鼻咽喉科の様な短期処方で比較的簡素な処方内容の管理料をたくさん取っていた薬局は利益が大幅に減るということに。
我が薬局では門前が整形メインですが総合病院なので内科長期処方もありますしこのあたりは打撃が少ないかなと思います。
地域支援・医薬品供給対応体制加算
地域支援体制加算と後発医薬品調剤体制加算が廃止というか統合され、新たに『地域支援・医薬品供給対応体制加算』へ変わります。
加算は5段階に再編され点数までは発表されましたが、後発医薬品割合の85%以上が必須になる以外の要件詳細はまだ発表されていません。
調剤薬局において調剤基本料と同等に重要なのがこの加算であり、要件を満たせるかどうかで薬局経営に相当大きな影響があります。
旧調剤報酬においてもこの算定要件をクリアするのに苦労しています。
実績が厳格化するそうなので、各薬局今まで以上に苦労することに成るとは思いますが…
この要件が発表されてから来年度の各職員の動きを明確化していかなければなりません。
服用薬剤調整支援料2(薬剤レビュー)
今回の改定でおそらく最も注目されているのがこの点数だと思うんですが、なんとこの支援料の点数…
1000点!
もう一度言います。
1000点!
なんと1000点ですw
これの何が震えるって、基本的に調剤報酬って3桁の点数が圧倒的に少ない中で、4桁ですよ4桁!
これはもう中医協からの挑戦状と捉えても良いと思ってます。
取れるものなら取ってみろと、これくらいやってくれと。
それくらいこの点数にはこの国の薬剤師に期待する役割が現れているんじゃないかと思います。
昨今ポリファーマシーが課題となっていますが、その解消に向けて薬剤師が減薬提案を行う事が重要な責務であり、実際に減薬となった場合にはその報酬をしっかりと与えるという、本来薬剤師が担うべきであろう仕事を明確化した象徴的な項目ですね。
実際のところ減薬自体は主治医の意向次第ではあるので、どこまで行っても“提案”止まりになるのはもはや仕方のないところではありますが、どの程度ドクターにこちらの意志を伝えられるかがカギになりますね。
ポリファーマシー報告は苦手なので頑張って探したいと思います。
在宅関係
在宅医療に関する項目は今回の改定で大幅に引き上げられている点数が多いように思います。
その分実績も厳格化されてはいますが、要件さえ満たせば大幅に利益を伸ばせる可能性が高まりますね。
弊社は在宅専門の店舗もありますので、そちらの店舗の利益は相当伸びそうな気がしています。
より一層精進していく必要はありますが、期待ですね。
新設された加算もいくつかあるので、今後はそういった加算もしっかり拾っていけるよう業務内容もしっかり見直して往診クリニックとの提携も強固にしていく必要があるところです。
調剤物価対応料・調剤ベースアップ評価料
調剤薬局の薬剤師にも賃上げの波は来てほしいものですが、処方箋の枚数を増やしたり調剤報酬が上がらなければ会社の利益は上がらず賃上げも難しい状況だと思います。
今回の改定では賃上げに対応した項目も新設されました。
調剤物価対応料:1点(27年度からは2点)
調剤ベースアップ評価料:4点(27年度からは8点)
となります。
あくまで従業員の賃上げを考えているとして届け出ている薬局に限るということではありますが、この時世でそれを考えていない薬局はどうでしょうかね…
弊社は考えていると思いますが、果たしてどうか…
今年、若しくは来年の昇給に期待しようと思います!
その他
他にも『バイオ後続品調剤体制加算』や『かかりつけ薬剤師フォローアップ加算』、『かかりつけ薬剤師訪問加算』等追加されたものや変更になったものがいくつかあります。
かかりつけ薬剤師指導料が廃止されて基本料に包括されたりフォローアップ加算として新設されたり『かかりつけ薬剤師としての在り方』も問われてきているところですね。
まとめ
来年度よりまた薬局薬剤師としての存在意義が更に問われることになりそうですので、より一層気を引き締めて十分職務を全うできるよう仕事していこうと思います。
地域支援体制加算がどうなるか、ドキドキしながら待ちましょう!

コメント